SCOPEにおいて振動のしきい値は伝統的な手法を採用しています。
- 注意値:正常平均の2~3倍
- 危険値:正常平均の4~6倍(注意値の2倍)
経験則ではあるのですが、長年(40年以上)の実績がある方法で以下の特徴があります。
- 多くの企業で長年使用された実績のある手法
- 計算が簡単
- グラフからしきい値の良否を簡単に判断できる
大量のセンサ(測定点)を管理する場合、一目で良否がわかる事は重要です。
AIを使わないのか?
AIが学習して自動的にしきい値設定する仕組みが存在します。しかし機械学習は以下の問題があります。
- 判定がブラックボックス化するので判断根拠を説明できない
- しきい値の見直しができない
私も機械学習でAIを組んだ経験があるのですが、機械学習モデルは恣意的な調整ができないので再学習するしかありません。例えば正常な振動を頻繁に異常と判断する場合は検出感度を下げる必要があります。しかし下げる方向に学習させるという事が出来ずとにかく精度を上げる方向で頑張るという状況に陥ります。
判断根拠が示せないし調整もできない。振動管理にAIはあまり向いていないと判断しています。
振動管理のしきい値設定について