倉敷市の実証実験サポート事業に採択されて水道局と下水処理場で実証実験をはじめました。まだ測定を始めて1か月ですが異常兆候を検出しましたので紹介いたします。
排水系の第5~第7ポンプの3台は同じ機器で同じ用途です。このため3台の同じ部位を振動測定すれば同様の値になるはずですが今回大きく異なっていました。モータのカップリング側ベアリング部の振動を比較しています。なお振動の単位はmG(重力加速度の1/1000)です。
- 第5ポンプのモータ:振動値 3,000 mGで若干の上昇傾向あり
- 第6ポンプのモータ:振動値 13,000 mG上昇傾向あり
- 第7ポンプのモータ:振動値 1,500 mG上昇傾向なし

一旦異常兆候のベアリングを特定するとコナンエアーというツールで周波数分析を実施します。こちらは現地に出かけてデータを収集して周波数分析します。周波数分析できる振動系は50万円~100万円超なのですがコナンエアーは3~5万円とリーズナブルで助かっています。現在SCOPEでコナンエアーを使えるよう開発中です。コナンエアーについてはこちらを参照ください→中山水熱工業さんのホームページ
振動トレンドの結果から第7ポンプのモータは正常で第5、第6は損傷している可能性が高いと言えます。特に第6は振動値が非常に大きく危険な状態です。もう少し状態を確認するためコナンエアーを使って第5および第6のモータカップリング側の振動周波数を分析た結果、どちらもベアリング外輪傷と推定されました。


最終的には「①整備して振動値が下がる」「②取り外したベアリングに傷があることを確認する」ということを経て損傷の確認を実施しますが、この2台はまず間違いなく傷があると考えています。
倉敷市実証実験サポート事業での異常検出事例